簿記3級の仕訳の覚え方|つまずきやすいポイントと効率的な練習法

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「借方・貸方がどっちかわからなくなる」「勘定科目が多すぎて覚えられない」

簿記3級の勉強を進める中で、仕訳でつまずいてしまう人はとても多いです。

でも安心してください。仕訳は「暗記」ではなく「理解」で乗り越えられます。

この記事では、勉強中につまずいている人に向けて、グループ分けで理解する方法+実例で体感する方法を組み合わせてわかりやすく解説します。

この記事を読むとわかること:

  • 仕訳でつまずく人が多い理由
  • 資産・負債・純資産・収益・費用の5グループの覚え方
  • 実例で仕訳を体感する練習方法
  • よく出る勘定科目の一覧と定着のコツ

まず「企業のお金の流れ」を全体でつかもう

簿記は、会社のお金の流れだけでなく、会社の財産・負債・収益・費用など経営活動のすべてを記録する仕組みです。

どんなにすごい人でも全体像が見えていないと簿記を理解するのは難しいです。まず「企業のお金がどう動いているか」の全体像をつかんでしまいましょう。

個人の生活と違い、企業は仕入先・自社・取引先(客先)の3者の間で、商品とお金が日々やりとりされています。

物・サービスの流れ ──  お金の流れ・予定 ‐‐‐‐

🏭
仕入先

商品を受け取る
代金を払う
買掛金が発生
負債・貸方で増える

🏢
自社
(仕訳を記録する)

商品を渡す
代金を受け取る
売掛金が発生
資産・借方で増える

🏬
取引先
(客先)

月末にまとめて清算(現金で決済)
買掛金・売掛金が「消える」→ 現金の支払い・受け取りに変わる

▲ 企業のお金・商品の流れ全体図

このやりとりを記録するのが「仕訳」です。そしてその記録を集めて作るのが、貸借対照表(BS)損益計算書(PL)という2つの表です。

仕訳を積み重ねると… ↓

貸借対照表(BS)
会社の「財産と借金」の状態を表す
資産
現金・預金
売掛金
建物・土地
備品 など
負債
買掛金
借入金 など
純資産
資本金 など

損益計算書(PL)
会社の「儲けと費用」を表す
収益
売上・受取利息 など
費用
仕入・給料・消耗品費 など
収益 − 費用 = 利益

▲ 貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)のイメージ

仕訳で記録した「資産・負債・純資産」はBSに、「収益・費用」はPLに集まります。仕訳は、この2つの表を作るための日々の記録作業です。この全体像を頭に入れておくと、個々の勘定科目を覚えるときに「これはBSの科目だ」「PLに入る科目だ」と整理しやすくなります。

仕訳でつまずく人が多い3つの理由

まず、なぜ仕訳でつまずくのかを整理しておきましょう。原因がわかると、対策も立てやすくなります。

①借方・貸方を「暗記」しようとしている

「現金は借方、売上は貸方…」と丸暗記しようとすると、少し違う問題が出た瞬間に混乱します。仕訳はグループのルールを理解することで、暗記量をぐっと減らせます。

②勘定科目が多すぎてパンクしている

簿記3級には数十種類の勘定科目が登場します。一つひとつを個別に覚えようとすると確かに大変です。でも、5つのグループに分類してしまえば、どのグループに属するかさえわかれば仕訳できるようになります。

③例題がピンとこない(現実感がない)

テキストの例題が「なんか難しそう」に見えてしまう原因の多くは、日常のお金の動きと結びついていないことです。身近なお金の動きに置き換えて考えると、一気にわかりやすくなります。

まず「5つのグループ」を頭に入れよう

仕訳をマスターするための第一歩は、すべての勘定科目を5つのグループに分けることです。

資産・負債をビジュアルで理解する

「資産ってなに?」「負債とどう違うの?」という疑問を持つ方は多いです。まずここを具体的なイメージで掴んでしまいましょう。

資産=「会社が持っているもの」

資産とは、会社が所有しているもの・使えるものすべてです。さらに2つに分かれます。

種類 意味 具体例
流動資産 1年以内に現金化できるもの 現金・預金・売掛金・在庫(商品)
固定資産 1年以上使い続けるもの 建物・土地・機械・車

イメージとしては、「すぐ使えるお金や換金できるもの」が流動資産、「長く使うもの」が固定資産です。

負債=「会社が返さなければいけないもの」

負債とは、いずれ支払いや返済が必要なものです。こちらも2つに分かれます。

種類 意味 具体例
流動負債 1年以内に支払うもの 買掛金・短期借入金
固定負債 1年以上かけて支払うもの 長期借入金・社債

「流動」「固定」という言葉は資産と負債で共通です。「1年が境界線」と覚えておくだけでOKです。

純資産=「資産から負債を引いた、会社の正味の財産」

シンプルに言うと、純資産=資産-負債です。会社が持っているものから、借りているものを引いた「本当の自分の財産」がここに入ります。

収益・費用はイメージしやすい

収益と費用は日常のお金の感覚に近いので、比較的とっつきやすいです。

  • 収益=売上など「会社にお金が入ってくる源」
  • 費用=仕入・給料など「会社からお金が出ていく源」

5グループの「増減と借方・貸方」一覧表

グループのイメージが掴めたら、次は「増えたときにどちら側に書くか」のルールを確認しましょう。

グループ 増えたとき 減ったとき
資産 借方(左) 貸方(右)
負債 貸方(右) 借方(左)
純資産 貸方(右) 借方(左)
収益 貸方(右) 借方(左)
費用 借方(左) 貸方(右)

ポイントは「資産と費用は増えたら借方(左)、それ以外は増えたら貸方(右)」とざっくり覚えることです。これだけでかなり迷いが減ります。

実例で仕訳を体感してみよう

ルールを覚えたら、実際に手を動かして体感することが大切です。日常感覚に近い例で練習してみましょう。

例題①:現金で文房具(消耗品)を500円買った

考え方:

  • 消耗品費(費用)が増えた → 借方
  • 現金(資産)が減った → 貸方
借方(左) 貸方(右)
消耗品費 500 現金 500

例題②:商品を3,000円で売り、現金を受け取った

考え方:

  • 現金(資産)が増えた → 借方
  • 売上(収益)が増えた → 貸方
借方(左) 貸方(右)
現金 3,000 売上 3,000

例題③:銀行から10万円を借り入れた(短期)

考え方:

  • 現金(資産)が増えた → 借方
  • 短期借入金(負債)が増えた → 貸方
借方(左) 貸方(右)
現金 100,000 短期借入金 100,000

いずれも「何が増えた?何が減った?→グループはどれ?→借方か貸方か」の順に考えれば解けます。最初はゆっくりでも大丈夫です。

売掛金・買掛金がイメージしにくい人へ:図解で理解しよう

勘定科目の中でも最初につまずきやすいのが「売掛金」「買掛金」です。日常では使わない言葉なので、言葉だけ見ても何のことかわかりにくいですよね。

どちらも「掛け取引」、つまり「商品のやりとりとお金の支払いが別のタイミングで起きる取引」のときに使います。

そもそも、なぜ掛け取引が存在するの?

個人の日常生活ではあまりなじみがないですよね。コンビニで買い物するたびに「来月まとめて払います」とはならないので、ピンとこないのは当然です。

企業間の取引では話が変わります。企業は毎日・毎週と大量の取引が発生するので、そのたびに現金で決済するのは非効率です。そこで「今月分はまとめて月末に払いましょう」という仕組みが生まれました。これが掛け取引です。

月末一括清算にすることで、振込の手数料・手間が大幅に減り、お互いに合理的な取引ができます。

🧠 さらに深く:売掛金・買掛金は「信用の記録」

簿記の世界では、売掛金・買掛金は「信用を数字で記録したもの」と捉えると理解が一気に進みます。「まだお金のやりとりはしていないけれど、取引の約束を帳簿に残しておく」というのが掛け取引の本質です。

売掛金と買掛金の違いを図で見てみよう

【売掛金】取引先に商品を先に渡して、あとでお金をもらう約束
🏢
自社
商品を先に渡す →
← 後日お金が入る(予定)
🏬
取引先(客先)
売掛金=「もらう権利」 資産グループ・増えたら借方(左)

【買掛金】商品を先にもらって、あとでお金を払う約束
🏭
仕入先
商品を先に受け取る →
← 後日お金を払う(予定)
🏢
自社
買掛金=「払う義務」 負債グループ・増えたら貸方(右)

▲ 掛け取引のイメージ図

ポイントを整理するとこうなります

勘定科目 意味 グループ 増えたとき
売掛金 商品を渡したが、まだもらっていないお金 資産 借方(左)
買掛金 商品を受け取ったが、まだ払っていないお金 負債 貸方(右)

「売掛金=もらう権利(資産)」「買掛金=払う義務(負債)」と覚えると、仕訳のときにどちらに書くかがスムーズに判断できます。

よく出る勘定科目をグループ別に確認しよう

試験によく出る勘定科目を5グループに整理しました。「この科目はどのグループ?」を確認する一覧として使ってください。

グループ よく出る勘定科目
資産 現金、普通預金、売掛金、商品、建物、土地、備品、車両運搬具、前払費用
負債 買掛金、短期借入金、長期借入金、未払費用、前受金
純資産 資本金、繰越利益剰余金
収益 売上、受取利息、受取手数料
費用 仕入、給料、消耗品費、水道光熱費、支払利息、旅費交通費

最初からすべて覚える必要はありません。問題を解きながら「この科目はどのグループだっけ?」と確認する使い方がおすすめです。

仕訳を定着させる練習のコツ

理解が進んだら、あとは練習で定着させるだけです。効果的な方法をご紹介します。

①毎日少量でも手を動かす

仕訳は「読んで理解する」より「書いて身につける」タイプの学習です。1日5問でも継続することが大切です。

②テキストの例題→問題集の順で進める

テキストの例題で基本パターンを確認してから、問題集で応用問題に挑む流れがスムーズです。

③間違えた問題は「なぜ間違えたか」を言語化する

「グループを間違えた」「増減の方向を逆にした」など、ミスのパターンを把握することが上達への近道です。

独学での学習に不安がある方は、映像授業や問題集が充実した通信講座を活用するのも一つの方法です。

独学か講座か迷っている方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

簿記3級は独学で合格できる?独学のメリット・デメリットと勉強法を解説

まとめ:仕訳は「暗記」より「理解」で乗り越えよう

この記事のポイントをまとめます。

  • 仕訳でつまずく原因は「暗記しようとしていること」が多い
  • 勘定科目を資産・負債・純資産・収益・費用の5グループに分けて理解するのが近道
  • 資産・負債は「流動(1年以内)」「固定(1年以上)」のイメージで掴む
  • 「増えたらどちら側?」のルールを5グループで覚えれば、あとは当てはめるだけ
  • 実例で手を動かして練習することで定着する

最初はゆっくりでも大丈夫です。グループ分けのルールを理解してしまえば、仕訳はきっとスムーズになります。

簿記3級の合格を目指しているあなたを、応援しています!

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